立ち食いうどんの話
ある場所に行くときに、必ず立ち寄るところがあります。
それはなんの変哲もない立ち食いうどん屋です。
食券制で、カウンターには十人ほどが入れるスペースがあります。
店員さんは二名体制で、いつも元気がよくて好きです。
店に入ると元気よく「いらっしゃいませー!」と言ってくれます。それだけで行く理由の半分くらいは満たされるのです。
別に挨拶がないと入りたくないとかそういうわけじゃないですよ?
頼むメニューは決まっていて、山菜うどん。これがまた美味しいんです。
「これでいいんだよ。これで」と思わず言いたくなる味。濃いめの出汁が効いていて、冷えた身体に染み渡る。
そこにこだわりはないと言わんばかりに湯掻かれた麺は、いとも簡単に口の中へ進んでいく。
寒いせいなのか、ここへ来たからなのか。それはわからないが、とにかくこの味をわたしは愛しているのだろう。