好きだった?
「ずっと好きだった?」
この言葉は、とんでもなく色々な感情を凝縮したものであることは明白です。
「好きだった?」
「好きだった」
「ずっと好きだった」
「ずっと好きだった?」
「もう、好きだった」
これらはすべて、別の意味である。疑問符がつくかつかないかはそのときのトーンや表情で異なるが、同じ言葉ではないことは認識頂きたい。
例えば、ある人が親しい間柄であった人からそう言われた場合、ある意味つらい状況に陥る。言わばこれは、諦めに近い意味で使っていると考えられるからである。
『いつから好きだった?』であれば、脈アリとも捉えられるだろう。しかしその場合も、すでに相手方が恋愛的な関係を結んだ人がいる可能性も否めない。
そもそもを思い出して欲しい。あくまでもこの言葉は過去形なのである。相手はすでに過去のものであると思い、そう告げる。その先には何も存在していない。その先があるのなら、わざわざそのような質問はしないだろうし、過去に置き換える必要もないのだ。
過去に縋ることは何も生み出しません。そんなことは誰であっても薄々気がつくものですが、それが出来ないのが人という生き物なのであります。