菜々子の生活記録と戯言

かなり適当な言葉に言葉を連ねる住処

探し物は見つからず

記憶が残っている限りではあるが、わたしは何かを探し続けていた。

それが物なのかモノなのか、はたまた箱なのかハコであるかは分からなかった。

 

要するに実体としてソレを探していたのかは、もう覚えていない。

 

心の空白、空虚感を埋めるために日本各地を巡った。

北は宮城、西は長崎まで。

頭では分かっていた。そこへ向かったとしても答えはないのだと。

けれど、心は解ってくれなかった。

 

あるところで、お姉さんからこんなことを言われた場面があった。

『そりゃね、自分がないだけやよ』

頭では分かっていた。きっとこれはどうしようも出来ない現実から逃れるためのやり方でしかないと。

 

名前さえ知らないあの人を探して、その日が来るまでワタシは歩き続ける。