ハッピーエンドなんて嫌いだ
物語を追体験するならば、あなたはバッドエンドを望みますか、それともハッピーエンドを望みますか。
わたしは迷わずバッドを選ぶでしょう。
本当にそうなりたいかは別にして、わたしは自分自身が幸せになれるとは思っていません。
これまでの経験上、どっちつかずか不幸な道へ進むと思いすでに受け入れてしまっています。これからだよ、なんて軽い言葉はかけないでほしい。そんな黒い感情をもっているわけです。
ほんの少しでも幸せになれると思って進んだ道は、ほとんどが真っ黒でした。いったい、どこでそれぞれの選択肢を間違えたのでしょう。
だからこそ、今のわたしはまるでなにかを避けるみたいな生活を送ってしまっていますね。ここ数年。きっとあまり良くはないのでしょうが、一気に黒染めされてしまうよりはマシなのだと思い込んでいます。そう、あくまでも思い込みです。
人間なんてのは結局、自分自身の信じていることで現実世界を覗いているにすぎないのです。そんなことさえも、ふと忘れてしまうのがまた。
実際、過去のわたしが書いた作品では主人公が物語りの輪から抜けてしまったり、自殺してしまったり、消失してしまったり、と散々な結末を迎えることは特に珍しい話ではありません。
軽めのものであれば、意中の人とすれ違ったままエンディングを迎えるものもありました。
ただやはり、ハッピーエンドを望む声はある程度存在しているみたいで。
『次はハッピーエンドがいいです』
なんてわたしに言われてもと困ったこともありました。
まあ、現実世界ではなく物語りでは幸せにしてあげるというのもまた良いかもしれません、ね。