放浪息子 雑感 その3
今日書きたいのは、安那ちゃんの話です。
本題は例の通り14,15巻である為、以下はネタバレを含みます。
安那ちゃんと二鳥くんは付き合っているわけですが、15巻で二鳥くんが
「女の人になりたい」
といっているシーンで、安那ちゃんがそれに続けて
「じゃあ私、レズビアンってことになるの?」
といったニュアンスで返事をするシーンがあるのですが、これはある意味で意思表示なのではないかと考えました。
そこに注目していきます。
安那ちゃんにとっての二鳥くんとの接点は、真帆の弟という立ち位置からスタートします。
初めこそ『可愛らしい』だの『女装似合ってるのに』なんてことを言っていました。
それがいつからか、安那ちゃんの口からはそれらの言葉が出る回数が減っていきます。
これ、逆手に取ると、二鳥くんに男の子を感じ始めていたのではないか、と考えたのです。
実際、よしのちゃんと二鳥くんが電話をするシーンで、よしのちゃんは声変わりをし始めていた二鳥くんの声を聞いて、男の人だという認識をするのです。
また、千葉さんも『二鳥くんは特別だと思っていたけれど、そうじゃなかった。何も変わらないのよ』と作中で言っています。
つまり、よしのちゃん、千葉さんにとっての二鳥くんは、あくまでも男の子。安那ちゃんにとっては、彼氏なのです。
その部分を裏付けるように、二鳥くんは自分のことを『女の子の服が着たくて あんなちゃんのことがすきな 男だ…』と言っています。
自らの現状の立ち位置を理解しているからこそ、この言葉が出てくるのだと思います。
そのため、二鳥くんの15巻ラスト近くの宣言シーンは、認識を変えて欲しいという意思表示ではないのか、というのが結論です。
実際、それに応える言葉を安那ちゃんは発しているのです。
まあ、二鳥くんを女の子としてみるようにするということなのだとも取れますが、きっと安那ちゃんは接し方を変えないと思います。
極論をいうならば、安那ちゃんにとっては二鳥くんが男だろうが女だろうが、あまり関係ない気がするのです。
やらしいことを考える時もあると、安那ちゃんは思いを巡らせていました。ですが、おそらく男らしい二鳥くんを想像していないのではないでしょうか…。
あくまでも、わたしの想像ですが。
二鳥くんに対して『妹みたい』と言ってしまうほどですからね。
今日はここまで。